パデ近似(Padé approximant)
ある有理関数のべき級数展開が、あるべき級数の最大次数まで一致するとき、それはパデ近似と呼ばれる。
パデ近似 (Padé approximant)
として、
が成り立つ
(即ち f (x) と R(x) の x = x0 でのテーラー級数 (Taylor series) が m + n 次の項まで一致する) ならば、
R(x) は f (x)
のパデ近似と呼ばれる。
例
R{1, 1}(x) = (a + b x) / (c + d x)
として、
f(x) = ln(1 + x) / x = 1 - x / 2 + x2 / 3 - x3 / 4 + …
の a, b, c, d の値を未定係数として求める。
R{1, 1}(0) = f(0) = 1
より、
a / c = 1
↓
a = c
であるので、
R'{1, 1}(0) = f'(0) = -1 / 2
(b c - a d) / c2 = (b - d) / c = -1 / 2
↓
b = (2d - c) / 2
それから、また、
R''{1, 1}(0) = f''(0) = 2 / 3
2 ( a d2 - b c d) / c3 = 2 / 3
↓
b = c / 6
d = 2c / 3
全ての係数が整数になるように c = 6 に選ぶと、
a = c = 6
b = c / 6 = 1
d = 2 c / 3 = 4
R{1, 1}(x) = (6 + x) / (6 + 4 x)
こうして得られたパデ近似と、もとのべき級数近似の様子を Fig.1 に示す。
Fig.1 ln(1 + x) / x とその近似
べき級数による近似は x が大きいところで発散しているが、パデ近似は x が大きいところでも良い近似になっている。
関連項目
外部リンク
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