(64,42) 11-bit バースト誤り訂正符号
概要
この符号は (65,43) バースト誤り訂正符号を 1-bit 短縮した符号で、バースト長が 11 までのバースト誤りの訂正が可能です。
ライガーの限界 (Reiger Bound) を達成している最適バースト誤り訂正符号 (Optimas burst-error-correcting code) の一つです。
その生成多項式 (generator polynomial) の一つは、式 (1) で表されます。
GP(x) =
x22 +
x14 +
x13 +
x12 +
x11 +
x8 +
x4 +
x3 +
x2 +
x1 +
1 … (1)
生成多項式の係数 (coefficients) 表記では、2進数 (16進数) で
100 0000 0111 1001 0001 1111
(
0x40791f
)
と表されます。
(64,42) 11-bit バースト誤り訂正符号の生成多項式には反転パターンを含んで次の8つがあり、
始めの6つでは全ビットが '1' になった誤りを検出することが可能です。これはその1つです。
生成多項式の係数表記 16進数 (8進数) ↔ 反転表記 *特記事項
0x40791f (020074437) ↔ 0x7c4f01 (037047401) *All-'1' error detection
0x4c0f0f (023007417) ↔ 0x787819 (036074031) *All-'1' error detection
0x6c09af (033004657) ↔ 0x7ac81b (036544033) *All-'1' error detection
0x7bcfff (036747777) ↔ 0x7ff9ef (037774757)
最後のものは参考文献[3]に記載のものと同じですが、全ビットが '1' になった誤りは検出できません。
(64,42) バースト誤り訂正デモンストレーション
⚠️ Demo の実行には
Java 8 のインストール と
例外サイトへの追加 が必要です。
- Send code の Information data 部分をクリックすると該当ビットを反転出来ます。
- Error bit の任意の部分をクリックすると該当ビットを反転出来ます。
- 最初はランダムな値の Data とランダムな1ビットの誤りになっています。
- タイトル部分をクリックすると Information data とバースト誤りがランダムに変更されます。
- AC で全ビットをクリアします。Information data が クリア済みのときには Recive code の全ビットを '1' にします。
- Auto run 部分をクリックすると誤りテストを自動的に実行します。
左が 1-bit 誤り、中が 1〜11-bit 長のバースト誤り訂正、 右が 12〜22-bit 長のバースト誤り検出のテストになっています。
12〜22-bit 長のバースト誤りはその全てを検出できるわけではありません。
参考文献
- 符号理論, 今井秀樹, 電子情報通信学会, ISBN4-88552-090-8
- T.Kasami, "Optimum shortened cyclic codes for burst-error correction", IEEE Trans. Inform. Theory, vol.IT-9, no.2, pp.105-109, 1963/04.
- T.Kasami, S.Matoba, "Some efficient shortened cyclic codes for burst-error correction", IEEE Trans. Inform. Theory, vol.IT-10, no.3, pp.252-253, 1964/07.
関連項目
2元 BCH 符号及びバースト誤り訂正符号
© 2000 Takayuki HOSODA.